ソーシャルレンディングの担保や保証はどれだけ重要?

2017年8月31日更新
ソーシャルレンディング担保保証

ソーシャルレンディングは、借り手側の企業が倒産したり、返済が不可能になった場合に、投資家の元本に影響が出てしまう恐れがあります。そういった万が一のことに備えて、ソーシャルレンディング事業者が担保や保証など資産を保全する仕組みを用意しています。

担保とは、借り手側が資金の返済ができないという状況になったときのために、資金の代わりとなるものとして、借り手が貸し手に提供しておくもののことです。

 

保証は、借り手の企業が返済できなくなったときに、保証人が代わりに返済する義務を負う制度のことを指します。

 

その他にも、リスクを低減させる仕組みとして貸付を小口分散させて1つ、2つデフォルトがおきた場合でも、全体として収益が確保できるように貸付をおこなったり、影響が出た場合でも限定的になるような保全の仕組みが取られている案件などがあります。

 

どれも、投資家の元本への影響を最小限にすることが目標であり、担保・保証など保全の仕組みの有無はソーシャルレンディングにおいて見過ごすことの出来ない重要な項目です。

ソーシャルレンディングの保全の仕組み

担保、保証

ソーシャルレンディングの案件には、借り手が返金できなくなった場合のために、不動産が担保として絡んでいる案件がよく見られます。借り手の企業が担保として、自分の持つ不動産などの実物資産をソーシャルレンディング事業者に提供します。

 

万が一のことを避ける制度というだけあって、担保なしの案件に比べると利回りがあまり高くない場合が多いです。さらに、担保が付いている案件だからと言って、100%投資家の元本が保証されるというわけではありません。

 

担保の中には、権利の問題ですぐに事業者が換金できない場合もあり、さらに言うと、案件に記載されている担保の金額は、評価当時の値段なので、売却するときに大きく価値が下がっている場合があります

 

保証は、資金を返済するという事実に変わりはありません。返済不能になってしまった企業に代わって、資金を返済する保証人を設定しておくことで、貸倒れのリスクを防いでいます。

 

保証人と言っても、その企業の代表者が連帯保証人になるケースが多く、法人で返済できなくなった資金を、個人名義で返済することがほとんどです。

小口分散

小口分散とは、1件当たりに貸し出す金額を減らし、いくつかの借り手が返済不能になった場合でも、損失額を減らすことができます。

 

金融機関が、1000万円を10人に貸付したとします。

 

この場合、1件でも返済不能な個人、企業が現れた場合、100万円は回収できないことになってしまいます。

この1000万円を、100人に貸付して、1件あたりの金額を10万円に減らすことによって、1件貸倒れがあったとしても、損失は10万円で済み、990万円は回収することができるという仕組みです。

 

あるソーシャルレンディング事業者には、貸付件数が80,000万件にも上る場合も存在し、貸付の件数が多いほど、大きなリスク回避になりいくつかデフォルトが起こった場合でも全体としての影響を最小限にすることができます

 

担保や保証にはどういった種類があるか

担保の種類

・不動産担保

物件を提供する、最も扱っている案件が多い担保。

昔も今も、担保としての価値が高く、ソーシャルレンディングにおいても手堅い担保として市場を引っ張っている存在で、もし返済が不能になったとき、物件を売却して得た資金を返済に充てます。

 

・動産担保

企業においては、商品の在庫などの品物を指し、個人においては車など、実物資産でありながら価値の流動性が高いものを担保にします。

創業してまだ間もない企業では、担保となる不動産を保有していないこともありますので、動産担保は幅広く利用されています。

 

・有価証券

その名の通り、借り手側の企業が保有している証券を、担保として提供します。

不動産など、すぐに換金するのに向いていない担保に比べて、即時の換金が可能で、そのときの時価がすぐに反映されます。

ただ価値の変動も大きいので、有価証券を担保にした案件は、時価の7割程度までが借入額の限界とも言われています。

 

・株式譲渡担保

借り手企業の株式を担保にする方法。

民法や、会社法には規定がなく、株式を譲渡するという形を取り、実際は株式を担保として提供しているということになります。

なので、企業はしっかり融資された資金を返金すれば、譲渡した株式は戻ってきます。

 

・質権設定

貸付側が、担保として借り手側の企業、または第三者から物を受け取り、その債務者が返済を完了するまで、保有しておくというシステムです。

返済がない場合、その物を優先的に返済に充てることを目的としています。

不動産、株式に対して設定されることが多いです。

 

・約束手形譲渡

借り手側の企業が、期日までに一定の金額の返済を約束するという用紙を譲渡します。

しかし約束手形を発行するには、発行時点でその返済金額に相当する口座残高が必要になります。

 

・売掛金譲渡

借り手の企業が、担保に出来るものがない場合、売掛金を担保として提供することです。

 

保証の種類

・保証会社

案件に保証会社が付いていて、借り手の企業が返済できなくなったときに、事業者に変わって資金を回収してくれるというシステムです。

安心感はありますが、返済金利の一部が保証会社にも支払われるため、投資家側からすると利回りが少し低いという弱点があります。

 

・代表者の連帯保証人

不動産など、担保として提供できる項目がなかったり、保全の信頼性が薄い場合に、代表者による連帯保証を付帯して、借り手側の企業が返済の信憑性を上げることが目的です。

できるだけリスクを抑えられるファンドの選び方

まず、どのようなファンドを選んだらいいのか分からないという方は、担保と保証の有無に注目してください。

 

すべての案件に不動産担保が設定されているという事業者もあり、少しでもリスクを限定的にするという考え方は、大事になってきます。

 

守りに入りすぎてもいけないのがソーシャルレンディングの難しいところで、利回りについてもしっかり考慮しなくてはいけません。

 

不動産担保など、利回りが担保なしの案件に比べて下がってしまうファンドもある中で、担保ありの利回り10%以上という、高水準の案件も確かに存在しています。

 

その他、先ほどお伝えした小口分散のように、独自の方法でリスクヘッジのスキームを採用しているファンドを積極的に選択することで、効率の良い投資を進めていけることが予想されます。

抵当権順位も確認しておこう

抵当権とは、不動産に対して設定する担保権のことを言い、ソーシャルレンディングにおいての意味は「担保」そのものと同義語というイメージです。

特徴として挙げられるのは、借り手から担保として提供している不動産の占有を、貸し手に移す必要がないというところです。

 

例えば、住宅ローンを例に挙げると分かりやすいかと思います。

 

購入する物件に対しての抵当権が設定されても、ローンを全て返済するまでに、物件に住むことができ、改築や売却をすることも自由です。

抵当権順位は、複数の債権者がいる場合に、どの債権者から順番に弁済を受けるかという順番のことで、あらかじめ決めておくことが大事になってきます。

 

第一順位の債権者は、優先して1番最初に弁済を受けることが出来ます

これが終わってから第二順位、それが終わって第三順位の債権者に弁済がされていきます。

第二順位の債権者まで、売却の額が足りなかった場合、弁済を受けられない可能性がありますので、第一順位の方が保全性が高いということになります。

 

代表者連帯保証は信頼できるの?

企業の代表者が、返済の信憑性を上げるために付帯させることが多いですが、代表者連帯保証があるからと言って、必ずしも安心できるものではありません。

 

とはいえ、万が一企業としての返済ができなくなった場合でも、個人名義で返済するという姿勢を見せてくれているわけですから、付いていて損ということはありません。

まとめ

近年少しずつ知名度が上がってきたサービスであり、事業者が破綻したという前例もまだありません。ただし、事業者の破綻や貸付先のデフォルトは一定数起こるものと考え、リスクをコントロールしながら投資を行うことが重要です。

 

株式投資、不動産投資などの資産運用に比べると、ソーシャルレンディングはリスクが抑えられており、運用などの技術も必要としません。しっかりリスクを把握して投資を行えば、初心者でもソーシャルレンディングを始める価値があると言えるでしょう。

 

比較的、ソーシャルレンディングという業界に不安がない今だからこそ、最低限のリスクヘッジを考えながら、資産運用を行っていくことが理想ではないでしょうか。

この記事を書いた人

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Profit.com編集部

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