ソーシャルレンディングの節税は、経費と法人化がカギ!

2017年9月1日更新
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ソーシャルレンディングで投資を行い収益を得た場合、その収益には税金がかかります。

当然、収益の額に見合った税金を支払わなくてはいけませんが、経費を計上するなどの手法を使えば、合法的に節税できるのも事実です。そこで、ソーシャルレンディングの税金の仕組みを押さえた上で、簡単に取り組めるものから本格派の手法まで、節税できる方法についてご紹介しましょう。

 

ソーシャルレンディングの収入にかかる税金の確定申告の方法などついては下記の記事で解説しています。

 

 

ソーシャルレンディングの収入にかかる税金

最初に、ソーシャルレンディングの収入にかかる税金について、基本的な知識を押さえましょう。

 

収入は基本的に雑所得となる

日本の所得税法では、所得を次の10種類に分類しています。

 

利子所得 預貯金、公社債利子、合同運用信託、公社債投資信託及び公社債等の収益の分配に係る所得。
配当所得

 

株主や出資者が法人から受ける配当、投資信託(公社債投資信託及公社債等運用投資信託以外のもの)及び特定受益証券発行信託の収益の分配に係る所得。
不動産所得

 

土地、建物などの不動産、借地権など不動産の上に存在する権利、船舶・航空機などの貸付による所得。
事業所得 農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業、その他の事業から生ずる所得だが、不動産の貸付や山林の譲渡によるものは除かれる。
給与所得 勤務先から受け取る給料、賞与など。
退職所得 勤務先を退職する際に受け取る退職手当や厚生年金保険法に基づく一時金。
山林所得 山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡したりすることによる所得。
譲渡所得 土地、建物、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得、建物などの所有を目的とする地上権などの設定による所得で、一定の条件を満たすもの。
一時所得 ここまで列挙したいずれの所得にも該当しないもので、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外かつ労務その他の役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しないもの。例えば、競馬や競輪の払戻金、生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金などが該当する。
雑所得

 

他の9種類の所得のいずれにも該当しないもの。例えば、公的年金等、非営業用貸金の利子、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税などが該当する。

 

ソーシャルレンディングの収入は、現時点では雑収入に分類されています。

 

2.収入は源泉徴収されてから受け取れる

ソーシャルレンディングの収入と税金に関して、絶対に把握してもらいたいポイントについても触れておきましょう。ソーシャルレンディングの分配金が口座に入金される際は、税金が天引き=源泉徴収されます。なお、税率は20.42%(所得税20%、復興特別所得税0.42%)です。

 

 

3.確定申告を行って税額を確定させる必要がある

「なんだ、源泉徴収されているからそれでいいのか」と思った人はいませんか?実はそれだけでは不十分で、一部の例外を除いては、他の所得(不動産所得、事業所得、一時所得、FX・先物投資以外の雑所得、土地・建物・株式以外の事業所得)と合算し、そこから所得控除を差し引いた金額で所得税を計算しなくてはいけません。この仕組みを総合課税といいます。

 

改めて計算を行った結果、源泉徴収されている額より多く所得税を納める必要があれば追加で納付しなくてはいけません。一方、源泉徴収された額の合計より、本来納めなくてはいけない所得税が多かった場合は、差額が還付されます。

 

ちなみに、ソーシャルレンディングを使って投資をしている人であっても、次の条件にあてはまるなら確定申告をする必要はありません。

1)「1か所からのみ給与の支払いを受けていて年間給与収入が2,000万円以下」かつ「ソーシャルレンディングおよびその他の所得(※)の合計が20万円以下」の条件をみたす。

2)「2か所以上から給与の支払いを受けていて年間給与収入が2,000万円以下」かつ「年末調整をされていない給与の収入金額、ソーシャルレンディング、その他の所得の合計が20万円以下」の条件をみたす。

3)「公的年金の収入金額が400万円以下」であって「公的年金以外の給与およびソーシャルレンディング、その他の所得の合計金額が20万円以下」の条件をみたす。

4)「給与及び公的年金、ソーシャルレンディングなどその他収入の額が、基礎控除(38万円)や社会保険料控除(健康保険料や年金保険料の支払額)などの控除額合計以下である」の条件をみたす。

 

※その他の所得とは、具体的には次の項目を指す。

 

・ソーシャルレンディングのキャッシュバック(一時所得に該当する場合は、キャッシュバック金額から50万円を差し引いた額で計算)

・株式投資の利益額(特定口座、NISA口座での取引や上場株式の配当を除く)

・投資信託の利益額(分配金、NISA口座や特定口座での取引を除く)

・FXの利益額

・不動産投資の利益額

・アフィリエイト、講演、執筆等の収入額 等

 

 

つまり、簡単にまとめてしまえば「ソーシャルレンディングやその他の投資で得た収益が20万円を超えていた」なら、確定申告を行う必要があります。また、確定申告が不要である場合であっても、払いすぎた所得税の還付を受けたい場合は、確定申告を行う必要があります。

 

それでは、確定申告を行うに当たっては、どんな書類が必要になるのでしょうか?

 

最低限、次のものを用意しましょう。

 

支払調書 ソーシャルレンディング事業者から送付されるのでなくさないようにしてください。万が一失くした場合は、再発行をお願いしましょう。
源泉徴収票

 

給与所得者=サラリーマン、OLの場合に必要になります。会社からもらえるので、失くさないようにしましょう。
社会保険料の控除証明書

生命保険料・地震保険料控除証明書

給与所得者で、年末調整の時に提出していない場合にも必要になります。
医療費明細書、病院等の領収書 医療費控除を受ける場合に用意しましょう。

 

 

次に、確定申告を簡単に済ます方法として、ここでは国税庁HPの「確定申告書等作成コーナー」を使う方法をご紹介しましょう。

 

ページにアクセスし、「確定申告書等作成コーナー」のバナー(ピンク色)をクリックします。「作成コーナー(トップ画面)」の「申告書・決算書 収支内訳書等 作成開始」のバナー(青色)をクリックし、「書面提出」を選びます。その後は、画面のガイダンスに従い、必要項目を入力すれば確定申告書が簡単にできあがります。出来上がった確定申告書を印刷して、期限内に到着するように管轄する税務署に送れば完了です。

 

ソーシャルレンディングの収入にかかる税金を節税できる4つの方法

ソーシャルレンディングの収入には所得税がかかりますが、工夫次第では節税が可能です。そこで、気軽に取り組めるものからある程度本腰を入れて取り組まないといけないものまで、様々な節税方法をご提案しましょう。

1.経費を計上する

ソーシャルレンディングの収入にかかる税金を節税する方法として最も手軽に取り組めるものは、経費を計上することです。しかし、「収入の獲得に不可欠である」かつ「実際に使用した」支出だけを経費として計上するというルールは守りましょう。

このルールから外れた支出まで経費に計上してしまうと、万が一税務調査が入ったときに否認され、追加で税金を納めなくてはいけなくなります(過怠税)。実際に否認されるかどうかは運しだいな部分もありますが、ソーシャルレンディングの経費として認めてもらえそうなものと厳しいものを表にしてみました。

 

認めてもらえそう 厳しい
・プロバイター代(一部)

・ソーシャルレンディング関連のセミナー受講料および交流会の会費

・ソーシャルレンディング関連の書籍、有料コンテンツの会費

・金融機関への振込手数料

・自宅の家賃、水道光熱費

・ソーシャルレンディングに関係ない分野の書籍、有料コンテンツの会費

 

 

2.配偶者のアカウントを活用する

ソーシャルレンディングの収入にかかる税金は、総合課税といって、所得の総額から所得控除の金額を差し引き、そこに税率をかけて計算されます。この仕組みをうまく利用して節税するために、配偶者(奥様、ご主人)のアカウントもうまく利用しましょう。

つまり、配偶者の方が所得が低い場合、所得税の計算にあたり適用される税率も低いので、ソーシャルレンディングでの収入があった場合でも、支払うべき税金の額は低くなるのです。

 

しかし、この方法で節税したい場合、注意してほしい点が2つあります。一つは、たとえ配偶者との間であっても、口座の名義貸しは問題になるケースが多いです。万が一、名義貸しであったことが発覚した場合、強制解約に追い込まれるのも珍しくないので、資金を貸し付けて運用のアドバイスをするだけにとどめ、実際の投資は配偶者にやってもらう方が無難です。

 

また、夫婦間であっても、税務署からいわゆる「お尋ね」が来た時のために、金銭消費貸借契約書を用意し、「自分から配偶者に資金を貸し付けて、その資金で配偶者が運用している」という証拠を作っておくのをおすすめします。正直、「パートナーに内緒でお小遣い稼ぎがしたい」という理由でソーシャルレンディングにチャレンジしている人には使い勝手の悪い方法です。

 

3.ふるさと納税を使う

ふるさと納税とは、自分が選んだ地方自治体への寄付を行い、相応の返戻品を受け取る制度のことを言います。納税というよりは、寄附金としての性格が強いです。そして、ふるさと納税を行った上で、確定申告を行えば、所得税の還付や個人住民税の控除が受けられることから、節税の手段としても注目されています。

 

以前は、返礼品については、地方自治体独自のルールで運用されていたため、高級掃除機やパソコンなど、高額の返礼品がもらえるケースもありました。しかし、「返礼品競争」といって、高額の返礼品を設けている自治体にばかり寄付が集中したなどの問題点が生じたため、2017年4月には、当時の高市早苗総務大臣から返礼品の金額設定について見直しを迫る勧告が出されました。

 

このような現状を踏まえると、ふるさと納税をするなら、節税というよりは「自分が応援したい自治体の役に立ちたい」という気持ちで取り組むべきかもしれません。

 

では、実際にふるさと納税を行う場合の流れはどうなっているのでしょうか?まず、原則的な流れについて解説しましょう。

 

1)寄付したい自治体を選び、ふるさと納税の手続きを行う。

2)自治体から受領書を受け取る。

3)受領書を添付し、管轄する税務署へ確定申告を行うと、寄付した自治体に申告情報が共有される。

4)確定申告を行えば、ふるさと納税をした年分の所得税の減額や、翌年分の住民税の減額が受けられる。

 

一方、給与所得者であり、ソーシャルレンディングを含めた投資の収益が少額であるなど確定申告をする必要がなく、1年間のふるさと納税納付先自治体が5つまでの場合は、「ワンストップ特例」が使えます。この場合の流れも解説しましょう。

1)寄付したい自治体に対し、ふるさと納税を行い、ワンストップ特例申請書を提出する。

2)ふるさと納税を受けた自治体が、納税者の住所地がある市区町村に、納税者の控除に必要な情報を連絡する。

3)ふるさと納税をした翌年に、住民税の減額が受けられる。

 

4.法人化する

ここまで紹介してきた方法は割と簡単ですが、少し手間がかかってもいいなら法人化する=資産管理会社を立ち上げるのも、節税には大きなプラスとなります。

 

まず、資産管理会社を立ち上げると節税になる理由を説明しておきましょう。仮に、資産管理会社を立ち上げず、ソーシャルレンディングをはじめとする投資から得られた収益を雑所得として申告し、所得税を払ったとしましょう。所得税の税率は、課税所得の金額により異なりますが、2017年8月現在は次のようなっています。

 

 

課税される所得金額           税率       控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円

 

695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円

 

900万円を超え 1,800万円以下 33%

 

1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

出典 No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁

 

一方、法人税の税率は、会社の規模と課税所得の金額によって異なりますが、2017年8月現在は次のようになっています。

 

中小法人 年800万円以下の部分 19%

 

年800万円超の部分 23.2%(平成30年4月1日以降開始事業年度)

23.4%(平成29年4月1日以降開始事業年度)

中小法人以外の普通法人

 

両者を比較すると、課税所得が900万円を超える場合なら、確実に法人税の税率の方が、所得税の税率より安くなります。そのため、ある程度ソーシャルレンディングで収益を上げられるなら、資産管理会社を立ち上げ、法人化した方が税金は安くなるでしょう。

 

この他にも、資産管理会社を立ち上げることには、様々なメリットがあります。まず、役員報酬が損金処理できるため、自分や家族に給料として支払うのが可能です。また、損失が出た場合でも、所得税は最長で3年間しか繰り越せませんが、法人税なら最大9年間繰り越せます。

 

一方、デメリットがあることも認識しておきましょう。まず、損失を出してしまった場合でも、法人住民税均等割りと言って、かならず住民税(年間7万円)は支払わなくてはいけません。また、設立時には登録免許税や司法書士への報酬、印鑑作成などの諸費用がかかります。

 

設立後も、税理士に経理処理、申告を代行してもらう場合は顧問料がかかるため、ある程度の出費を覚悟しなければいけないのも、デメリットにはなりうるでしょう。

 

ソーシャルレンディングの収入にかかる税金の確定申告の方法などついては下記の記事で解説しています。

 

 

 

この記事を書いた人

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Profit.com編集部

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