注目の投資方法、ソーシャルレンディングがNISAの対象になる可能性は?

2017年9月9日更新
パソコンと手

ソーシャルレンディングが注目されています。これまで銀行などの金融機関が貸し手と借り手のあいだに仲介役として立っていたのですが、ソーシャルレンディングは直接この両者をつなぐサービスとして支持を得ています。

ソーシャルレンディングは金融商品取引法や貸付業者としての免許も有していますが、特有のビジネスモデルのため、手数料が低いことが大きな特徴です。

一般的に手数料の低い資産運用方法は利益が期待できないのですが、ソーシャルレンディングは5%を超える高い利回りを実現しています。まさに、高い利益を低い手数料で実現できる理想的な資産運用方法です。

1、貯蓄から投資への変化

数十年前は「貯蓄」が広く推奨されました。当時のマネー雑誌を見ると、30代なら貯蓄いくら、40代ならいくらという形で、貯蓄額が家計の役目、とベンチマークとさえ言えました。ところが、次第に低下を続ける金利がその流れを変えていきます。いま、金融機関に預けると8%の金利がついたといっても、誰も信じる人はいないかもしれません。

 

2000年代になって3%前後を推移していた金利(長期固定金利)は2010年代になって更なる低下を続け、1%台へと下落します。つまり、「貯蓄をしていても意味がない」という価値観が定着し始めたとき、代わりに提唱されたのが「投資」という考え方です。

 

株式投資や投資信託、金や先物投資に至るまで、さまざまなものが投資対象になりました。ただ、素人に比べて金融機関の担当者との知識差は否定できず、「金融機関の言いなりにならないためにどうするか」という本がベストセラーになることもありました。ひとつの選択肢として、金融機関を介さない資産運用が望まれていたなか、支持を得たものがソーシャルレンディングです。

 

2、金融機関主導で提供されたNISA

その一方で、金融機関が提唱した伝家の宝刀が「NISA(少額投資非課税制度)」でした。NISAはイギリスのISAを参考にしたもので、国にとっては何よりも必要な「税金」をなくす、というものでした。国はそれほど「貯蓄から投資へ」という流れが本気だとアピールすることができるうえ、金融機関にとってもNISAの特別口座を対象とすることで、顧客の「囲い込み」をすることができます。

 

2013年に提唱されたNISAは、広い世代への拡大を目的として2016年にはジュニアNISAが提唱されます。ただ、有限制の強いNISAでは、長期間で見たときの貯蓄策にならない、という指摘がありました。そこで、2018年から、非課税期間を20年に拡大した「積立NISA」が開始する予定です。積立NISAの開始を以って、これまでのNISAは廃止される予定です。

 

3、今後、ソーシャルレンディングがNISAの対象になることはあるか

ソーシャルレンディングとNISA。背景の違う両者が今後歩み寄る可能性はあるのでしょうか。すなわち、ソーシャルレンディングがNISAの対象となり、ソーシャルレンディングの投資成績が非課税となることはあるのか、という視点です。

 

結論から述べると、ソーシャルレンディングが金融機関を介さない以上、しばらく時間がかかるのではないかと思います。NISAに含む以上は既存の金融機関が同意する必要があり、現状はソーシャルレンディングにNISAを含むことが金融機関のメリットにならないためです。万が一、ソーシャルレンディング業者が破綻したときに、顧客の救済策となる法整備がされていないこともネックのひとつといえるでしょう。

 

ただソーシャルレンディングや、同じFintech領域で立ち位置の近いクラウドファンディングが更に利用者を拡大し、社会的なポジションを拡大した折には、NISAに含める、という声も広まってくるのではないでしょうか。ソーシャルレンディングの企業経営者や、Fintech企業の経営者が集まる「Fintech協会」の活動に注目していきたいものです。

 

先行するイギリスでは、NISAのモデルになったISAにおいて、ソーシャルレンディングが対象となりました。伸長する市場規模は、10年後に100兆円から300兆円にも達するという予測もあります。世界を席巻する規模のソーシャルレンディング(クラウドファンディング)の企業も増えてくるでしょう。

 

4、ソーシャルレンディングも早めのNISA適用を

筆者はFPとして、ソーシャルレンディングの早期NISA対象に賛成です。商品にもよりますが、1万円という安値で投資ができるソーシャルレンディングは、これまで「投資ってよくわからない」としていた人たちにも魅力的に映ります。これは今後、投資を推奨したい立場にとってもとても大切なことです。

 

NISAの範囲を拡大する際は、反対意見も生まれることでしょう。ただ、2017年に政治の世界で流行った「〇〇ファースト」ではありませんが、資産運用をする一般の人が不安にならないような、それでいてわかりやすい制度のなかで投資ができることを優先して欲しいものです。それが、貯蓄から投資へと移る世の中の時勢で、大切なことといえるのではないでしょうか。

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Profit.com編集部

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