【決算分析:2017年12月期】クラウドバンクの最新決算を分析

2018年8月19日更新
Cloudbank kessansetsumei

ソーシャルレンディング業界でのトップ企業と言えばmaneo、そして第2位は大手金融グループに所属するSBIソーシャルレンディングです。ソーシャルレンディングでもこの2社は有名ですが、では第3位の会社がどこかと言うと、すぐに名前が出てくる人は少ないかもしれません。

 

これまでの投資家からの累計募集金額で第3位に付けているのが、日本クラウド証券が運営するクラウドバンクです。では、そのクラウドバンクはこれまで決算情報でどれほどの数字を残しているのか、そしてこれから先どうなっていくのかを見ていきましょう。

 

クラウドバンクとは

クラウドバンクは、日本クラウド証券が運営しているソーシャルレンディングサイトです。日本クラウド証券は日本のソーシャルレンディング会社の中で唯一、第一種金融商品取引業免許を取得しています。それだけに資本の金額やコンプライアンス遵守方針など、第二種免許取得企業に比べると高い基準を満たしています。

 

クラウドバンクは2014年からソーシャルレンディング事業に進出をしており、営業は2018年で5年目になります。その間二度の行政処分を受け、特に2015年の行政処分では3ヶ月の営業停止処分という非常に厳しい処分を受けました。しかしその後見事に事業を立て直し、現在では業界3位につける大手ソーシャルレンディング会社の一つになっているのです。

 

決算情報は自社サイトに掲載されている

そのクラウドバンクの決算情報ですが、以下のページから確認できます。

ページ中で、平成29年3月度の決算公告が記載されています。残念ながらまた同社が数字を発表しているのは平成28年度まであり、平成29年度の決算公告は今後掲載される予定のようです。

 

クラウドバンクは赤字を脱していない

ではクラウドバンクの決算情報の数字を見ていきましょう。

この貸借対照表を見る限り、利益剰余金として1億8,600万円の赤字があることがわかります。これは前期から引き継いだ繰越利益剰余金であり、累計としてこれだけの赤字があることになります。

上記のファイルに詳しい状況が書いてあります。営業利益に関する点を抜粋してみましょう。

 

業務及び財産の状況に関する説明書 【平成29年3月期】

今期の営業収益は227百万円となり、前期の146百万円から55%増となりました。販売費一般管理費では人件費の増加があったものの、全体的には費用削減等の効果により、今期236百万円となり、前期の269百万円から12%減となりました。これにより営業損失額が大幅に減少し、前期122百万円の損失から、今期は9百万円の損失にとどまりました。また、税引前当期損益では前期の損失額67百万円を大きく下回り、今期は21百万円の損失となっております。

 

日本クラウド証券では2億2700万円の営業所利益があったものの、結果的には損失額として2,100万円の赤字が残りました。ただし前期の6,700万円と比べると、赤字の幅は大きく減らすことに成功しており、ソーシャルレンディング事業の拡大の影響があったことが伺えます

一方日本クラウド証券の貸借対照表の項目の中には、他のソーシャルレンディング会社でよく見られる匿名組合預り金という項目が見当たりません。

 

推測をするに「顧客預り金」という4億7000万円の項目がこれに該当すると見られます。しかし、日本クラウド証券がこれまでの投資家から集めた金額の規模から考えると、かなり少ない金額と言えるでしょう。

この決算の数字が同社が大きく業績を伸ばした2017年度の数字ではないので、何とも言えない側面はあります。また2016年度の時点ではクラウドバンクの事業規模も小さく、黒字化を達成できていなかったことがわかりました。

 

2017年ではクラウドバンクも大きく投資家からの資金調達を行うことに成功しているため、2017年度の決算公告が発表された際には、黒字化を達成していることにことも期待できます。

 

また少しややこしいのですが、クラウドバンクを運営する日本クラウド証券の親会社として、クラウドバンク株式会社という会社があります。

 

クラウドバンク株式会社でも平成29年度の決算公告を掲載しています。

 

クラウドバンク株式会社 決算公告(平成 30 年 3 月期)

 

クラウドバンク株式会社の決算公告を見ると、利益剰余金として4,300万円の数字が記載されています。親会社の単独決算では黒字化を達成できている可能性が高いです。別のページには平成28年度の半期報告書が掲載されているおり、そちらでもう黒字化を達成していることが確認できます。

日本クラウド証券の親会社である、クラウドバンク株式会社は順調な経営を続けていると言えるでしょう。

 

売上に比して従業員数は多くない

クラウドバンクの2017年の募集金額ですが、同社のプレスリリースによると2017年3月時点での累計募集金額は123億円。そして2018年2月には250億円を達成しています。つまりほぼこの1年間でそれまでの累計募集金額と同等の金額を集め、1年間で127億円もの資金を投資家から集めていることが分かってきます。

 

さらに2018年2月時点で250億円だった累計報酬金額は、2018年7月時点では320億円にも達しています。2018年に入ってからの5ヶ月間で、その勢いはさらにまして、70億円のお金を集めることに成功しているのです。

 

単純にこのペースでいけば、2018年だけで170億円近い数字を集られる可能性が高いです。ソーシャルレンディングは、貸付した資金に対しての金利収入が会社の売上となります。融資する金額が増えれば増えるほど会社としては売上を伸ばし、黒字化を達成する見込みが立つようになります。日本クラウド証券が2017年度そして2018年度で黒字化を達成できる可能性も高いでしょう

 

クラウドバンクはこれからどうなるのか

一方で、クラウドバンクの募集金額が順調に増える中、ソーシャルレンディング業界はみんなのクレジット、ラッキーバンクへの行政処分。そしてグリーンインフラレンディングのmaneoマーケットでの募集中止、さらには最大手であるmaneoマーケットへの行政勧告など、数々の問題点が表面化しています。

 

業界第1位の企業であるmaneoマーケットに対し、グリーンインフラレンディングの親会社の資金の流用が原因で、行政勧告が行われたことは業界内に大きなインパクトを与えました。またSBIソーシャルレンディングでも初の法人向け融資での返済金の滞納。そして担保の処分が行われることが明らかにされるなど、これまで投資家たちが抱いてきた、ソーシャルレンディングの安全神話が揺らぎつつあることも、認めざるをえません。

 

クラウドバンクが日本クラウド証券という第一金融商品取引業免許を取得している会社が経営しているから、また300億円以上の実績募集があるからといって、無条件で信用するのは危険な考え方です。

 

一方である意味逆説的ですが、クラウドバンクはこれまで2度の行政処分を受けています。そのため社内の業務フロー、コンプライアンス、監視体制など行政指導を受けた影響で、高い水準での社内の見直しが図られたことが期待されます。

 

少なくとも融資先の匿名性を利用して、投資家の信頼を裏切るような不法行為などは、クラウドバンクにではそう起こり得ないものと考えられます

 

2度の大きな問題があり、そこから業務を再開することができたソーシャルレンディング会社はクラウドバンクだけです。それだけにクラウドバンクが汚名返上してきた実績を重視し、投資先の選んでみてもよいのではないでしょうか

 

 

 

この記事を書いた人

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麻宮太郎(まみやたろう)

不動産投資及びソーシャルレンディング投資で早期リタイアを目指すフリーのアラフォーWEBライター兼ディレクター。不動産投資系を中心に執筆活動に励んでいる。オタク知識を活かした不動産投資を始めるのが目下の目標。

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