【決算分析:2017年6月期】トラストレンディングの最新決算を分析

2018年8月23日更新
Trust lending kessan

トラストレンディングは、10%の利回りを超えるソーシャルレンディング案件を多数投資家に提供している会社です。高利回りから人気を獲得しており、順調に募集金額、会員数も上昇しています。募集累計金額は60億円を突破するなど、中規模ソーシャルレンディングサイトとして独自の存在感を発揮しています。

そのトラストレンディングの経営状態は現在どのようになっているのでしょうか。コーポレートサイトなどの情報からトラストレンディングの現在を探ってみました。

トラストレンディングとは

トラストレンディングは、エーアイトラストが運営を行うソーシャルレンディングサイトです。エーアイトラストは2005年創立。トラストレンディングサイトを立ち上げ、ソーシャルレンディング事業に乗り出したのは2015年となっています。

 

ソーシャルレンディング以外にも様々な事業に取り組んでおり、数々の投資やコンサルタント業務を行なっています。

同社では事業内容として、これだけの事業を謳っています。

 

エーアイトラスト株式会社 事業内容・金融コンサルティング業務

・M&Aアドバイザリー業務

・ファイナンシャルアドバイザリー業務

・第二種金融商品取引業務

・事業者金融事業

・企業再生支援事業

・金融関連ソフトウェア開発業務

・金融事務受託業務

・個別信用購入あっせん業

・ソーシャルレンディング事業(TRUSTLENDING)

そのため。会社としての売り上げの全てがソーシャルレンディングというわけではありません。ソーシャルレンディング事業だけに事業利益を依存していないのは、投資家にとっては頼もしいポイントでしょう。

 

2005年から会社として業務を行っているため、すでに13期の経営実績があります。その中で経営危機的な状況に追い込まれていないことも、投資家から見れば一定の評価を与えるポイントと考えられそうです。

 

企業全体の業績は黒字が続いている

そのエーアイトラストの財務状況は現在どのようになっているでしょうか。詳細な決算情報などは上場企業ではないので発表していませんが、自社ホームページから現在の状況を伺うことができます。

 


※出典:財務等の推移 (直近3期分) エーアイトラスト株式会社

また投資家宛のメールでは、平成29年6月期の利益に関する詳しい数字が明らかにされています。

 

平成29年6月期(平成28年7月1日~平成29年6月30日)

営業利益:10,986,683円

経常利益:9,882,691円

当期純利益:9,702,461円

 

このように平成29年6月期の数字では1千万円ほどの黒字を達成しています。決して大きな金額ではありませんが、他のソーシャルレンディング運営会社では赤字決算となっている会社が多いことと比較して考えましょう。ソーシャルレンディングを運営する会社で、黒字化を達成できているのは評価できるポイントと言えます。

 

エーアイトラストの売り上げは自社ホームページに掲載されていませんが、同が転職情報サイト掲載した記事には、過去3期の売上高が掲載されています。

 

売上高

・1億1561万円(2017年6月期実績)

・1億1274万円(2016年6月期実績)

・9039万円(2015年6月期実績)

 

売上高も決して大きな数字ではありません。ただ順調に売り上げを伸ばしており、2018年6月期決算の数字もソーシャルレンディングの貸付額が増えていることから、売上が伸びることが推測できます。

 

この募集要項では社員数19名。ソーシャルレンディングに携わっている社員数は5名から6名となっています。同社に置いてソーシャルレンディング事業が会社の1/3の人員を割いて行う、非常に重要度の高い事業であることが分かってきます。

 

エーアイトラストには省庁出身の役人が多数在籍

またもう一つ注目したい情報として、同社の人事情報があります。エーアイトラストのお知らせなどにも掲載されているように、エーアイトラストでは官公庁出身の役人を積極的に自社に取り込もうとしています

 

直近の1年間だけでもこれほどの役員の人事採用を行っています。会社概要にも以下のような昇町出身の取締役が掲載されています。

 

・山田貢(財務省出身)

・園田信夫(財務省出身)

・川﨑安弘(財務省出身)

・山本淳(国土交通省出身)

・古谷民男(財務省出身)

・渡邉一浩(防衛省出身)

 

財務省及び防衛省、そして国土交通省と三つの省庁からエーアイトラストには取締役が入社しています。このように省庁からの人材を取り込むことで、行政とのパイプを作り、公共事業案件に取り組むとしているのではないかという動きが推測できます。

 

2018年に入り公共事業絡みの案件が増えている

実際にトラストレンディングの案件を見ても、同社の募集案件の139号から、汚染された土壌の除染作業案件が掲載されています。環境省と地方自治体から委託を受けた事業のための資金調達で案件であり、その利回りは10%以上と非常に高いものになっています。

 

事業の発注先が省庁や地方自治体と、一般的に考えれば信頼性が非常に高い組織であり、事業の資金回収見込みが高い組織であることは、投資家にとっても気になるポイントでしょう。

 

公共事業絡みの案件を安全と見るか、不動産担保がない点をどう捉えるか

一方でこれらの公共事業関係の案件を見ると、利回りの高いものの担保は債権担保となっています。受注先の安全性は他界ですが、業務を受注した側が必ずしもその事業を遂行できるとは限りません。仕事の達成度の状態によっては、受注代金が満額支払われないということも起こり得るでしょう。

 

基本的には案件としての信頼性は高いと考えられますが、公共事業かだからといって100%信頼するのはやはり危険と考えておくべきです。

実際に自治体からの補助金を受けて事業を展開していたJCサービス、及び子会社のグリーンインフラレンディングでは問題が発生しています。補助金を受けて立ち上げた施設の運用状況が不明瞭であったとして、補助金の返済を求められています。

 

この辺りのリスクはそれぞれのソーシャルレンディング会社のコンプライアンス精神にもかかってきますが、公共事業の受注を受けてその資金を100%その事業に投資して運用するか、もしくは自社で別の用途に流用している可能性も頭に入れておく必要があります。

 

ソーシャルレンディング関係の問題があってもいいのソーシャルレンディング会社の発表をそのまま鵜呑みにするのは危険だといけます。保証がないということは投資家の投資したお金が100%返ってくる可能性が非常に低いということです。一気に資金を投資するのではなく徐々に引き落とししながら様子を見ていくのがいいかもしれません。

 

 

 

まとめ

トラストレンディングを運営するエーアイトラストでは、この1年省庁出身の役員を多数採用し、公共事業案件の融資案件が増加しています。同社の財務状態を見れば、ここ数年は黒字化が届いており売上高も順調に伸びています。

 

会社としては基本的には順調な推移が続いています。しかしその一方で、公共事業案件でも、債権担保しか設定されていないので、投資家は一定のリスクは常に想定しておかなくてはいけないでしょう

この記事を書いた人

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麻宮太郎(まみやたろう)

不動産投資及びソーシャルレンディング投資で早期リタイアを目指すフリーのアラフォーWEBライター兼ディレクター。不動産投資系を中心に執筆活動に励んでいる。オタク知識を活かした不動産投資を始めるのが目下の目標。

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