【決算分析:2018年3月期】SBIソーシャルレンディングの最新決算を分析

2018年8月23日更新
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日本に20社以上あるソーシャルレンディング会社。その中でも運営元の会社が直接上場している会社はオーナーズブックしかありません。しかし関連会社や会社が上場している企業を見ると、SBIソーシャルレンディングやLCレンディングなど、いくつかが挙げられます。

 

そこでここでは業界内でも第2位の規模を誇るSBIソーシャルレンディングが、どのような財務状況であるのか、同社の発表資料などから探ってみたいと思います。

 

SBIソーシャルレンディングの現在

SBIソーシャルレンディングの案件募集額は2018年6月現在、累計で400億円弱となっており、登録会員数も3万人を超える勢いです。これは国内のソーシャルレンディング会社ではmaneoに次ぐ規模であり、名実ともにソーシャルレンディング会社として2番目の地位を確立しています

そして2018年4月には運用中の貸付残高が200億円を突破。

同社でもこれをプレスリリースとして発表しています。

 


※出典:ソーシャルレンディング事業における融資残高200億円突破のお知らせ SBIソーシャルレンディング株式会社

 

このように2017年度だけで100億円とここ数年は倍のペースで成長を続けてきており、そのめざましい業績の伸びが伺える数字となっています。

また同時に負債として計上した金額が200億円を突破したことで、『会社法』ではSBIソーシャルレンディングは大会社として扱われることを示しています。

会社法では大会社に対し、投資家や債権者を保護する意味で様々な義務を課すことになっています。

具体的には以下のような義務が生じます。

 

  • 会計監査人の設置義務
  • 大会社は監査役会か委員会のいずれかを設置する義務を負うことになる。
  • 取締役又は取締役会において業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)を決定する義務
  • 損益計算書についての公告義務(会社法440条1項)
  • 連結計算書類作成義務(会社法444条3項)

 

こういった義務が課せられることから、今後はSBIソーシャルレンディングの財務状況などが公開されるようになり、また内部監査の厳格化が求められるようになります。大会社として、社会に対する責任が大きく増すとともに、投資家側はSBIソーシャルレンディングの財務状況を詳しく知ることが可能になるでしょう。

また同時に財務情報などが明らかになっていくことで、SBIソーシャルレンディングの会社としての信頼度が増すことの証左にもなります。

 

SBIソーシャルレンディングの最新決算情報

それではSBIソーシャルレンディングの最新決算情報を見てみましょう。以下のページから確認することができます。


※出典:2018年3月期(第11期)計算書類 SBIソーシャルレンディング株式会社

 

まず、利益剰余金の金額が気になるところでしょう。利益剰余金は5億1千万円以上の赤字となっています。SBIソーシャルレンディングのように規模の大きなソーシャルレンディング会社とはいえ、残念ながらまだ通年での黒字化は達成されていないのです。

 

そして営業貸付金ですが210億円強となっています。この金額はすでに発表があったとおりとなっています。

また投資家から預かったお金は匿名組合預金として仕分けされており、225億円弱となっています。つまり2018年3月時点では投資家から225億円のお金を集め、その内の210億円を融資していることになります。

前年度が110億円程度でしたから、いずれの数字も大幅な伸びを見せています。

 

 

SBIソーシャルレンディングのこれまでの決算との比較

2017年度では5億1千万円の負債を有する、SBIソーシャルレンディングの利益剰余金の推移です。

 

2016:6億6,304万円

2017:6億5,366万円

2018:5億1,078万円

 

 

2016年の時点で6億6,000万円以上の赤字です。2017年3月の時点では2016年3月よりもほんのわずかですが、赤字が減少しています。

そのため2016年度の営業実績で見れば、SBIソーシャルレンディングは1000万円ほどですが黒字化を達成していました。そして2017年は1億円以上負債を減らすことに成功しています。つまり2017年単年で見れば大幅な黒字化を達成したと言える状況です。

もちろん通年でみれば赤字が多いことには変わりませんが、徐々に同社の営業利益が改善されていることが分かります。

 

次は貸付金です。

 

2016年:51億円

2017年:111億円

2018年:210億円

 

 

貸付金の金額については、最初に掲載したグラフを見るとこのような推移を辿っており、ほぼ毎年倍増のペースと非常に勢いのある伸び率を見せています。この数字と利益剰余金の金額を比較してみると、累計51億円の貸付金では単年の赤字が1億円でした。

しかし累計110億円の融資により、1億円の赤字が単年で1,000万円の黒字に転じています。つまり50億円融資することで約1億円の利益が生まれていると考えられるでしょう。

 

2018年3月期の決算を見ると、利益剰余金のマイナスを1億2千万円減らしています。貸付金を100億円増やしたことで、売上も大きく伸びたと言えるでしょう。

 

SBIソーシャルレンディングの今後を予測する

業界第二位の地位を確固たるものにしつつあるSBIソーシャルレンディング。先日はテレビ東京系のニュース番組である『ワールドビジネスサテライト』でも同社の営業の様子が取り上げられ、募集の現場や社内の様子などが放送されました。

 

テレビ放送の効果もあってか会員数もこれまた順調な伸びを見せており、同社がソーシャルレンディング案件の募集を開始すると、あっという間に上限金額に達してしまうという現象が続いています

このように投資家から高い支持を得ているSBIソーシャルレンディングですが、その信頼はバックグラウンドの強さ、即ち大手金融グループであるSBIホールディングスに属する一社として社会的な信用を獲得しているからだとも考えられます。

 

そうでなければこれだけの赤字がありながら、何年も会社を存続させることはなかなか難しいでしょう。

一方でSBIホールディングスの決算情報を見ても、ソーシャルレンディング部門は高い評価を受けており、財務諸表上で黒字・赤字に関係なくグループ内の資金調達部門として大いに貢献しているという考え方もできます。

 

行政処分を受けるソーシャルレンディング会社が相次ぎ、案件リスクよりも事業者リスクを懸念する投資家が増えつつあります。

その反面で社会的に信用のあるSBIソーシャルレンディングは今後も投資家の数を増やし、2018年度も2017年度以上の貸付金額を達成するのは間違いないでしょう。

 

一方で大手金融グループの一社だからといって過信するのは危険な面もあります。SBIグループにとって重要性がなくなってしまえば、切り捨てられる可能性もあるのです。そういったリスクも考えながら、SBIソーシャルレンディングの動向を見守っていきましょう。

 

 

 

この記事を書いた人

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麻宮太郎(まみやたろう)

不動産投資及びソーシャルレンディング投資で早期リタイアを目指すフリーのアラフォーWEBライター兼ディレクター。不動産投資系を中心に執筆活動に励んでいる。オタク知識を活かした不動産投資を始めるのが目下の目標。

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